先日、ある会合でテーマとなったのですが、人間の喜びは脳をストレッチすることにあるらしいです。
できそうもない事に対しては、脳をストレッチしてどうにか受け入れて対応して、結果できるようになると人はこの上ない喜びを感じる。
そうか!だから人類はここまで発展できたんだ。とその時思ったのですが、どうしたら脳をストレッチすることができるのでしょうか?
そもそも脳は楽をしようとする性質があります。
脳はあまりエネルギーを使わないように効率良く動くので、朝起きたら毎朝歯を磨いたり、毎日同じ道を通って駅に向かうなどの習慣ができるようになるわけです。
脳をストレッチするとは負荷をかける、意図して考えるということになりますので、最初は抵抗があるかもしれません。
それをスムースに促す要素としては、好奇心やチャレンジ精神、なんとかできるようになるだろうという楽観的姿勢などの感情が助けてくれます。
頭が閉じている状態。例えば、これやって何の意味があるの?とか、それは私に関係ないからとか。そういう判断をしていると脳はストレッチせずにできることだけしてしまいます。そのままだと発展性や進化がないので、脳は停滞します。
脳が開いている状態。例えば、まずはやってみるとか、面白そうだと考えてみるとか、楽しそうだと決めてみるとか、前向きな行動や思考を少しでもいいのでしてみると、脳は動き始めます。
脳は意識してはじめて回転するという性質があるので、まずは建設的な言葉を口から出してみるというのがとても大切なのではないか?と僕は思っています。
そうやって脳をストレッチした先には、この上ない喜びが訪れます。
それは「私にできた!」という感情、喜びです。
英語学習についても同じことが言えます。
今までやってきて、急に壁にぶち当たる時があります。なかなか英文が頭に入らない。今まで知らなかった単語が出てきた。話すスピードが早くてついていけない。などです。
そこで大切なのは、今までできてきている部分を認めてあげること。たまったノートなどを見返したりするといいです。
自分の積み上げてきたものをまずは認めてあげて、それから新しいことを受け入れようとしてみる。新しい単語を学ぶ、英文を覚える、早く言ってみる。
基礎の理論とやり方を抑えつつも、自分で試行錯誤しながら学習を実践してみる。脳のストレッチをこうしてすることにより、必ずできるようになります。
10年前に脳科学者の茂木健一郎さんも、ご自身の著書(茂木健一郎 2007年『脳を活かす勉強法:奇跡の「強化学習」』PHP研究所.)の中で、「安心を感じながら、自分にできるかどうか分からない不確実性を乗り越えた時に、我々の脳はかけがえのない喜びを感じるようにできている」と言っています。
自分の弱点をよく直視して、その原因を自分自身で突き詰めて修正するというのが大事でもあるので、その時、教師側は教えすぎないほうがいいです。
信じて見守る姿勢です。むしろ何もしないほうがよかったりします。
目の前の人を何とかしてあげようという気持ちは重要ですが、それに対して、よかれと思ってあれこれしてしまうと、受講者が自ら掴み取る成長の喜び。つまり脳を自らストレッチして発展するという貴重な機会を奪ってしまうのです。
あれこれ手を差し出すことは愛情の一部と思ってしまいがちですが、ただ自分が不安なだけ。相手を信用していないという事でもあるので、場合によっては人間関係が崩れます。
自分で何とかして脳をストレッチさせて新しいことを受け入れる。そして喜びを得るという流れそのものが、人が人生を歩むということではないでしょうか?
脳のストレッチの先にあるもの。
成長が全ての本質だと分かります。